発達障害は劇的に改善する薬は2022年11月現在では出ていません。ただ気になる症状を緩和させる方法として、オーソモレキュラーを用いるという選択肢もあります。栄養素と食事、サプリメントや点滴、糖質コントロールでアプローチします。

そもそも発達障害とは？

発達障害は脳の情報処理や制御に偏りが発生することで、行動面と情緒面に通常とは異なる特徴が出ます。基本的な特性は【注意欠如・多動性障害（ADHD）】【自閉スペクトラム症（ASD）】【学習障害（LD）】です。

発達障害はADHDやASDやLD全部の特性が出るわけではありません。各症状の特性が重なり合うのです。特性の現れ方も1人ひとりで違います。いくつかの発達障害を併せ持ったケースがるのです。発達障害は本人が生きづらさを感じることや、養育者が育児に関する悩みを一人で抱え込むという問題が指摘されています。

自閉スペクトラム症（自閉症・アスペルガー障害・広汎性発達障害）

発達障害の特性のひとつが自閉スペクトラム症です。自閉症、アスペルガー障害、広汎性発達障害を統合して診断名として作られました。主な症状は複数です。臨機応変に対応できない、コミュニケーションが苦手、興味や関心は極端でこだわりが強いことが知られています。

光や音や寒さや暑さなどに過敏か反対に鈍い反応を見せるのです。癇癪、自傷、知能バランスの偏りなども見られます。

発達障害の可能性を感じられるきっかけとして、集団に入らず一人で遊びを好む、癇癪が多いというケースです。初めてすることや、決まっていたことをとつぜん変更されると対応できない、環境になじむまで時間がかかる、偏食家というケースもあります。

成長して大人になり社会人として仕事をしてもうまくいかずに悩む方もいるのも特徴です。臨機応変に対応できない、人間関係の構築が苦手、家庭生活がうまくいかない方もいます。思い悩みうつといったメンタルの問題を抱える方もいるのです。ただ、悪いことばかりではなく、マイペースでひとつのことに集中すると大きな成果を上げている方もいます。

注意欠如・多動症(ADHD)

注意欠陥や多動障害はADHDとも呼ばれています。主な症状として、集中力や落ち着きがなくじっとできない、考えずに行動するというものです。多動性や衝動性が強いと座っていても手足を動かします。授業中のように、座り続けることが求められる場面でもつい立ち上がって席を離れる、おとなしく遊べない、しゃべりすぎる、順番を守らないという行動が見られるのです。

注意欠如は、勉強でミスが多い、課題、遊びも集中できない、人の話を聞いていないように感じられます。最後までやり切ることもできません。課題、作業の段取り、整理整頓が苦手、気が散りやすいなどの症状も多いです。

社会人になっても症状が改善しない方もいます。計画を決めて進められない、落ち着きがない、仕事中も他のことを考える、感情のコントロールが苦手などの問題が出てくるのです。ただし一般的には成長して大人になるに連れ、多動性や衝動性は徐々に軽くなると考えられています。

学習障害(LD)

知的発達は遅くないのに【聞く】【話す】【読む】【計算・推論】の面でむずかしさが出てくる症状です。読字障害、書字障害、算数障害に分けられます。学業面で勉強しても結果として出ない、日常生活がむずかしくなる、他の人に理解してもらいづらいなどが現れるのです。

チック症

チック症は、身体が素早く動いてしまう、発声してしまうなどの症状です。まばたき、顔をしかめる、とつぜん飛び上がる、自分の体を叩くなどが運動チックと呼ばれます。音声チックは咳払いや舌打ちや発声です。一般的にチックは子供でよく見られます。ただ、1年以上続いたり、日常生活がむずかしくなるレベルになったりするとトゥレット症と呼ばれる症状です。

吃音

吃音は言葉をスムーズに出せない症状です。最初の一音に詰まり、なんども同じ言葉が出ます。一般的に就学前に起きる吃音は数年経過すれば落ち着きますが、何年も続くケースもある症状です。体質的な要素が原因として考えられています。

発達障害はどういった検査を行う？

発達障害には特徴的な症状はありますがすぐに確定できるものでもありません。調べるには専門的な検査や知能検査も必要です。発達の特性やなにが困難か客観的に判断します。複数の側面から調べ、数値化してチェックするのです。

知能検査は発達検査と同じく、発達の特性と困難な部分を探るのと同時に知的能力をチェックします。子どもの場合、様子を観察し、遊んでいるときに特徴的な行動はないかチェックするのです。両親から、子どもで困っていること、成育歴の問診をします。

発達障害の治療法

発達障害の治療法には、薬物療法と生活療法があります。薬物療法は薬によってバランスが整っていない神経伝達物質を調整し改善することでコントロールする治療法です。

根本的治療ではなく、あくまで症状を緩やかにすることを目的とします。成人を対象としたADHDの症状を緩和させる薬も登場しました。副作用もあるため容量や用法に注意が必要です。

生活療法はデイケアを通し、障害への理解を深めるための心理教育やコミュニケーションの向上のためのトレーニングをします。子どもの場合、障害特性や困りごとに応じて個別の支援計画を作成してサポートする取り組みです。発音の方法やコミュニケーションの取り方を教えます。ただし、薬物療法と同様に根本的治療ではありません。

自閉スペクトラム症（自閉症・アスペルガー障害・広汎性発達障害）

自閉症スペクトラム症では、幼児期に小さな集団による療育を通してコミュニケーション力を含めた対人スキルの発達と適応力を伸ばす治療法があります。子育てでは両親とともに支援者や医療関係者といった専門家と一緒に見守るのです。

一般的に、飲めさえすればたちまち自閉スペクトラム症が治るといった治療薬は2022年11月時点では出ていません。睡眠、行動に関する問題が目立つなら薬物療法も併用します。メンタル部分で不調が出たら、ストレスがあったか、生活で変化はなかったかチェックし、環境を整えるのです。成人の場合、対人技能訓練、デイケアのようなリハビリテーション施設もあります。

注意欠如・多動症(ADHD)

幼児期や学童時では、課題に集中できる環境づくりや、ほめ方を工夫して、増やしたい行動を増やすアプローチをします。勉強前に遊ぶための道具を片付けさせるテレビを消すなどを徹底させるのです。集中時間は短め、しなければならない量は少なく設定します。

事前に休憩を取る時間を決める、やることをToDoリストにする、簡潔でわかりやすい言葉で伝えることも大切です。改善が見られないなら薬物療法も併用します。成人のADHDの場合も、環境調整、行動療法、薬物療法も実践します。

学習症（学習障害）(LD)

教育的なサポートをします。読むことがむずかしいなら、文字を大きくした文章を指でなぞって読む、文章を文節にわける治療法を実践するのです。音声教材を使ってもかまいません。書く行為が困難なら、大きなマス目のノートやICT機器を活用します。

計算がむずかしいなら、数字から離れて絵によって視覚化するのも有効です。なにが困難か見極めて、各症状に合わせたアプローチが求められます。学習症は周囲の理解も必要です。「なまけているだけ」と決めつけて怒ってもどうにもなりません。適切なサポートの実践が重要です。

チック症

トゥレット症のような体質的なチックは、コントロールしようとしても短時間が限界です。その点を周囲も理解しなければなりません。チックが現れそうなら拮抗する動きをする、薬物療法による対処があります。

チック症は10歳から15歳に多く、成人でも治まらず強い症状として続く場合もある症状です。薬物療法も根本的な治療ではありません。日本では有効性がある薬はないのが現状です。ただし、統合失調症の薬が有効というのは知られています。

吃音

吃音治療として、言語聴覚療法や認知行動療法があります。吃音は就学前に起こることもあり、数年程度で軽くなるのが一般的です。ただし、長期間持続するケースもあります。吃音は体質的な要素が強いとも考えられている症状です。

吃音は学校でクラスメイトにからかわれる、いじめられる要因になることがあります。そのため養育者は目を光らせなければなりません。学校で発表があれば吃音がある子どもにとって精神的な苦痛は大きいです。学校にも理解してもらい、環境調整が求められます。

オーソモレキュラーで発達障害の対応はできる？

オーソモレキュラー栄養法とは、栄養素と食事を通じた投薬だけに頼らない根本治療法です。食事により血糖値の安定化とタンパク質の最適料の接種、高用量のサプリメントで栄養素を補充、日常の生活習慣で消費する栄養素に注目した治療法です。海外では1960年代から精神病疾患の治療として応用がはじまっています。

日本国内でも全国医療機関3,300施設で日常診療に採用されているのです。

オーソモレキュラー療法の場合、大前提に「子供の脳は小学校に入学しても発達段階」という観点でアプローチします。発達状態のため脳へ必要な栄養素を十分に補給させるアプローチです。ただし、対象者に必要な栄養素は異なります。

寝台結果とは関係なく、血液検査をし、正常な脳の発達のための栄養素を選択。量を決めてアプローチするのです。自閉症やアスペルガーなども共通して実施します。投薬も使用しますが、最終的に薬不要で集団生活でも問題が起こらないようにするのが治療の目標です。

まとめ

「自分の子どもは他の子となにかが違う」と感じると不安になるものです。子供だからしかたないと感じていても、徐々に負担が大きくなると怒鳴って叱ってしまい自己嫌悪に陥ることもあるでしょう。ひとりで悩んでもなかなか解決はできません。

他の子どもと違う理由に発達障害が隠れている可能性はあります。もし子育てに苦労しているなら、発達障害に関する機関への相談がおすすめです。発達障害ならサポートしてくれる機関もあります。オースモレキュラー療法で日常生活や集団行動で問題が消えた子どももいるのです。オーソモレキュラー療法を取り扱っているクリニックに相談してみてください。力になってくれます。

情報参考サイト

厚生労働省_知ることから始めようみんなのメンタルヘルス_発達障害 （https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html）

みぞぐちクリニック_発達障害 （https://mizoclinic.tokyo/symptom/4901/）

オーソモレキュラー栄養医学研究所_治療の実際 - こどもの気になる症状 （https://www.orthomolecular.jp/treat/adhd/）